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エミコ(emico)

Author: エミコ(emico)

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このブログでは、増田貴久くんのことを中心に、NEWSやテゴマスのお仕事、作品について語っています。

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ストレンジ・フルーツ Chapter 4
20130601a
<逆再生の映像>

校舎の中
長い廊下
ナイフを手にした千葉
中身を剥き出しにされた果物
カナの涙

「外は雪が降っている」
「真夜中の青みがかった校舎は殺気じみてる」


chapter 4

1月1日
第3期のピクニックの日

楓の木の下に寝転び、指で作ったファインダーを覗くカナ
プレゼン前の緊張で苛立っているモリシタ
定点カメラとPCで作業する千葉

のんびり顔のハリーに千葉が
「俺たちの作品ねえよ。データ、消えた」
と冷たく突き放す。(千葉とハリーは、共同で作品を作っている)

そしてピクニックが始まる。
今日の脱落は二名と聞き、少し安堵するモリシタ
ハリーと千葉には作品がない。
まず、モリシタからプレゼン。
服飾デザイナーであるモリシタは、自分の作った服を木に着せた。
「テーマは蘇生」
「タイトルはフラワー」
その場で慌ててつけた作品名を口にした。

「木に咲いているってこと?
あれで完成?」
千葉は、モリシタの作品を容赦なくけなした。

「蘇生なんだろ?着せろよ」
千葉は、モリシタにイメージさせる。
「誰を吊るしたい?」
激しく動揺するモリシタ。冷酷に詰め寄る千葉。
「自分の作品を見せるということは、他人に暴かれることなんだよ、全部」

千葉の言い放ったその刃のような言葉は、モリシタの体に当たってはね返り、千葉自身の胸に突き刺さる。

次はカナのプレゼン。
楓の木の写真。
(客席から、チラリと見えた感じだと紅葉した楓)
カナの写真には、タイトルがなかった。
久良間は、タイトルは作家の思想を示すものとして重要な働きをすることを説明しながらも、カナの作品には、タイトルさえ必要ない、感情が写っていると、その作品を絶賛した。

「どうしていつもカナだけ」
と悔しさをあからさまにだすモリシタ。

一方、作品がない千葉とハリー。
表現のプランナーであるハリーは、小難しい言葉を並べて、久良間に、作品が用意できなかった背景を説明し、作品をつくる時間が欲しいと願い出る。

そして、ついに「ストレンジ・フルーツ」のコンセプトを説明し始める。
首つり自殺で死んだ体。
悲しめないくらいに美しく加工。
胸を切り開く。
本当の果実を取り出す。
それは、心臓。

その一連の行動をパフォーマンスアートにすると、説明をした。
久良間はひとこと、
「やるってことでしょ」
「やるってなんですか」
戸惑うハリー。

続いて、千葉の番。
データが消えたと言っておきながら、自分自身の作品は、しっかり作り込んでいた千葉。
ハリーは、裏切りを覚える。

「僕が用意したのは、プロジェクションマッピング」
「タイトルは、クロスロード」

ロバートジョンソンの「クロスロード伝説」をヒントに作り上げた作品。
その伝説は、悪魔に魂を売り渡す引き換えに、一流のギタリストになったというもの。

クロスロードで、悪魔に会った。
・・・悪魔は今も、顧客を探している。27歳の


校舎の壁には、悪魔が手を伸ばす不気味な映像。
そして、その闇と一体になるかのように立っている久良間。
千葉は、照明によって浮かび上がったクロスロードの中心に立っている。

本物のアーティストになるためなら、悪魔に魂を売ることさえ厭わない。

これも、後になって、結びつくことだが、カナがこう叫ぶシーンがある。
「悪魔にでもなんでも魂を売ればいい。」
心が痛むようなことをしないと本物のアートは作れないと。

千葉の背後では、悪魔がその時を今か今かと待ち受けていたのかもしれない。


自分のプレゼンが終わると、千葉は、ハリーに、
「コンセプトだけではだめだ」
とナイフを手渡す。
「できたら尊敬するよ」
ここで、ストレンジフルーツを作れと?
ハリーと千葉の激しい罵り合い。
「俺たちは、やったかやらなかったかそれだけだよ」

20130601b


ハリーの脱落が決まった。

ところが、ハリーが手放したナイフを今度は、モリシタが拾い、カナに向けた。
もうひとりの脱落者が自分だと悟り、最後のあがきにでたのだ。

「芸術なんてもうわかんないよー。」
取り乱しながら、両手でナイフを握りしめ、カナに迫る。
カナは、両手を広げるようにして、
「いいよ。」
という。
モリシタは、そのカナの姿に、膝を落とし、泣きじゃくる。

モリシタの脱落も決まった。

「次は最後のピクニック
最高の作品を完成させるんだ」
久良間は、意味ありげな言葉を千葉に残した。

出ていくハリーとモリシタ。
「カナ、写真撮って」
しかし、シャッターが押せないカナ。
「私、もう撮れないの」
天才的な才能と言われたカナの、その力が弱っている。
誰よりも自分自身がそのことに気が付いていて、苦しんでいる。


ハリーは、千葉に「ストレンジフルーツ」の作り方が書かれた本を置いていく。
「お前が作るんだろ、ストレンジフルーツ」
「そっちのストレンジフルーツなら誰も死なずにすむ」
「何の痛みもなく、本物のアートが作れるかよ」

二人きりになった千葉とカナ。

「胸がいたい」
「カナ・・・カナ・・・カナ・・・」
初めは強く、徐々にやさしく、カナの名を呼ぶ。


「助けて」
カナの悲痛な叫びと共に、舞台は暗転。

最初の”ラストシーン”が私の頭の中でフラッシュバックする。
この3か月後、千葉は、それを完成させるのか。

けれど、物語は、その3か月前に戻っていく。
ふたりで過ごした最後の月日は、舞台上で描かれることはない。

「外は雪が降っている」
「真夜中の青みがかった校舎は殺気じみてる」


最初の映像がラストシーンへと導くだけ。

観客は、目の前で観た出来事を自分の頭の中で、逆に積み重ねていく。
でも、つなぎめがぴったりするわけでもない不思議な形。

未だに謎なのは、ハリーが言った「そっちのストレンジフルーツ」のこと。
人が死ななくてもできるストレンジフルーツって?

でも、結局、千葉は、それを選ばなかった。
選びようがなかったのか?



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